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2010年10月22日


相変わらず更新が進みませんです。申し訳ありませんm(__)m
秋から冬にかけては、何かと音楽家にとって忙しい季節です。
移動も多いですし、本当に体力勝負です。
10月3日にエミール・ギレリス没後25周年の記念コンサートが東京文化会館でありました。前半はギレリスが良く演奏会で取り上げたメットネルのピアノ曲を川崎智子さんと僕の兄の崔仁洙が演奏し、後半は僕と僕の兄の崔仁洙とチェロの岩崎 洸さんでチャイコフスキーのピアノ・トリオを演奏しました。
50分以上かかる大曲ですが、岩崎さんの素晴らしいチェロの音色、美しいフレージングにも上手くのれて、とても楽しく演奏する事が出来ました。
音楽感や哲学、勿論技術的な事は当然として、上手く調和がとれると、練習でも余計な説明など全く必要ありません。一応、合わせるポイント等の打ち合わせはしますが。
お互いの音を聴いているだけで誰が今何をしたいのか、瞬時に理解出来るのです。かつて名ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムが言っていたそうですが、「音楽を説明するのに言葉など要らない。音楽が音楽を語る」と。勿論超一流芸術家の発言ですが、良く理解出来ます。


崔 文洙

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2010年7月5日

楽器!!

先日、ゲルバーのベートーヴェン・ピアノコンチェルトの全曲演奏会がありました。
演奏は勿論素晴らしかったのですが、演奏家と楽器とのデリケートな関係も見ることが出来ました。
ゲネプロ終了後、ピアノが気に入らなかったようで本番前に楽器を替えさせました。
調律師さんは大慌て。短い時間での調整は大変だったと思います。
アルゲリッチとの共演のときも、どのピアノが良いか何度も僕に意見を求めてきて、神経質になっていたのを良く覚えています。
ホロヴィッツやミケランジェロは自分のピアノを何時もホールに運んでいましたし、演奏家と楽器の相性、また出会いは何か運命的なものを感じます。
当然、全ての器楽奏者、ヴァイオリニストも例外ではありません。
私は現在、1661制作のニコラ・アマティ「グランド・アマティ」を使用してますが、決してとてつもない馬力のある楽器ではありませんが、音色の豊かさ、甘さ、パレットの豊富さにとても自分との相性の良さを感じます。
今までいろいろなイタリアの名器を弾く機会がありましたが、強く印象に残っているのが1717制作アントニオ・ストラディバリウスです。この楽器は「ハンマー」というニックネームがついていましたが、本当に音色も豊かで音量もあって、まるでレーザービームのような感じでした。さすがに余りの高額な値段に手も足も出ませんでしたが、これぞストラドっていう感じでした。いつかまた出会えたらと思います(^_^;)


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1717制作アントニオ・ストラディバリウス「ハンマー」です。







2010年6月6日



今年に入って音大で教えたりマスタークラスを開く機会が続きましたが、
教えることの難しさと必要性を再認識する機会でもありました。
現在の日本におけるクラシックの音楽教育の問題点をいろいろな意味で把握することが出来ました。
音を創って行く行程でのプロセスがとても浅いのです。どうしてそう弾くべきなのか。
なぜそうあるべきなのか。曲をどう組み立てて行くべきなのか。
一番大切な目的意識が抜け落ちているのです。
技術的な問題を解決する事はとても大切でありますし重要です。しかしそれは最終段階ではないのです。ひとつの音楽を構成するための手段にしか過ぎません。
「なぜあなたはそう弾くのですか?」と問うても・・・「○○先生がこう弾きなさいと言ってました。」それだけなのです。
この問題は音楽教育の範疇では収まらない日本の教育システムの問題でもありますが、まず「なぜ?」
そうあるべきか。先生に何か指示されても、言われたとおりにするだけではなく、疑問を持ったり、さらに探求心を持って、自分の哲学を創りあげていくことが大切だと思います。
教える側、また弾く側の立場として、将来の日本の音楽教育について真剣に考え、この先の極東におけるクラシック音楽界がその発展と真の存在意義をしっかりと提議出来る状況になれば、と思います。


崔 文洙


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富山のホテルのロビーから立山連峰がとてもきれいに見えました!!!

2010年5月30日


本当に月日が経つのは早いです。もう5月も終わりですね。
今年に入っても慌ただしく時間が経って行きますが、1月のナントでのラフォルジュルネ音楽祭でのコンサートはとても刺激的な経験でした。
労働ビザが出発前日まで出なかったりと、やきもきさせられましたが、パリから乗り継いでナントに着いたとき、何だかとても落ち着いた気持ちになったのは不思議でした。
4泊5日で2公演の強行軍でしたが、とても楽しめました。
不思議というか、当たり前なのかも知れませんが、楽器の鳴りが到着した翌日からとても良くなりました。楽器の機嫌がとても良くなったのです。音色もとても作りやすくなったのには正直驚きました。アマティが自分の家に戻ってほっとしているようでした。
会場は東京のフォーラムのように、会議室を改造して反響板を付けたりしているのですが、これも不思議な事に程良い残響で会場もとても弾きやすかったです。同じ物を創るにしてもフランス人の音に対するセンスにとても感銘を受けました。
来場されたお客さまもとても音楽を楽しんでおられて、反応がストレートで僕自身も聴衆と一体になれた気がしました。満杯の会場でスタンディングオベーションが起きたときは素直にとても嬉しかったです。
2日目のコンサートではシューマンの2番のヴァイオリンソナタを演奏したのですが、
3楽章を演奏しているとき、何となく客席に目を向けると初老のご婦人が目に涙いっぱい浮かべていたのは印象的でした。
コンサートが終われば食事ですが、これがとても美味しい!!!疲れも吹っ飛びます。
会場の中に出演者専用の食堂があるのですが、料理の種類もとても豊富!
またワインも白、赤とも美味しいのですが、特に白ワインは今まで僕が飲んだ白ワインで一番でした。あんな美味しいワインはまだ東京では探せていません。残念!
ナント市内のスナップをアップするので雰囲気を感じ取って頂けると幸いです(^ニ^)


崔 文洙



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2010年1月1日
謹賀新年



新年あけましておめでとうございます<m(__)m>
昨年は皆様の温かい御声援を頂きまして
誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
昨年の11月からは大阪フィルさんでもお世話になることになり、
また12月の小澤さん特演でも僕の大好きなブラームスのコンチェルトを尊敬する小澤さん、愛する新日本フィルと3日連続で弾かせて頂きまして、とても貴重な経験をさせて頂きました。
今年は1月にフランス・ナントのラフォルジュルネ音楽祭がありますし、2月は佐野書院特演、3月はヤナーチェクの内緒の手紙など、
また新日フィル、大フィルでも熱い情熱を持って演奏に取り組んでまいります。
更なる高見を目指して命懸けで精進してまいりたいと思います。
今後とも皆様の変わらぬ温かい御声援のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。
今年が皆様にとりまして素晴らしい年になりますように。
皆様とコンサートホールでお会い出来る日を楽しみにしております。


崔 文洙

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ブラームス、本番終了後楽屋にて

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親愛なる同志の花崎 薫さんが小田原の初日の出の写真を送ってくれました(^_^)